「小説:著者名 さ行 」 の記事一覧
2011.09.25 Sun
烙印の紋章Ⅸ 征野に竜の慟哭吹きすさぶ 杉原智則
(おれはもう、死に方を選べない。おれひとりの都合で、死ぬわけにはいかない)西方より舞い戻り、“皇太子ギル”として復活をとげたオルバ。ビリーナとも再会を遂げた彼は、近い将来に起こるであろう戦いに向け準備を進めていく。一方、帝都ソロン。皇帝グールは帰還したギルを偽物と断じ、老練な将軍フォルカーを司令官とした一軍をアプターへ差し向ける。圧倒的な戦力差のなか、皇太子として反皇帝の狼煙をあげなければいけないオルバは、寡兵をもってして鮮やかな勝利を得るべく策を練る。両軍はついに激突の時を迎えるが――。英雄への道を描くファンタジー戦記、第9弾! (カバー折り返しとP337より引用)
追記を読む »
9巻。 前巻とても良いところで終わっていた烙印。死んだはずの皇太子が戻ってきたことに対する皆の反応に、読んでいてニヤニヤ。特にアプターの住民はギルのこと好きすぎですね! 彼らにとってみれば、皇太子ギルは身近な英雄みたいなものだから余計に熱狂的な反応をみせたんでしょうが。 ギルとビリーナの再会は、この2人のことだからそんな甘い雰囲気にはならないだろうとは思っていたものの…殺伐としてるなー。銃を向けてきたビリーナに驚き、最初はうろたえまくっていたのに最終的に逆ギレしたギルに笑い…そして、テレジアに抱きつき泣きじゃくるビリーナにホロリときた。本当に良かったね、ビリーナ。 ホゥ・ランとの再会では、オルバは先にビリーナに会いに行ったと知って、ちょっと複雑らしいランにニヤニヤ。そして、ここでもランに頭が上がらないオルバ。普段はふてぶてしいのに…。ビリーナとの食事のシーンでも大概アレだったし、オルバはもっと女性の扱いについて学ぶべきです。 復活した皇太子ギルとしての挨拶回りを終えた後から、vs皇帝の準備そして開戦となったわけですが、どうもオルバに余裕がないなーと思ったら…そういうことですか…。今までも上に立つ者としての責任や人の命の重みをかんじてはいたものの、今回は敵が身内なだけに余計に重くのしかかってきたんですね。 圧倒的な戦力差、敵の司令官は今までで1番手強い。その上オルバが本調子じゃないので、途中あっちでもこっちでも追い詰められている時は読んでいるこっちもドキドキしました。そんなオルバを立ち直らせたシークは、本当に おかあさん1番の理解者ですね。後の展開を思うと、彼のこの時の言葉が余計にグッとくる。 立ち直ったオルバが最前線に出て逆転勝利をおさめるまでの展開には大興奮。とても緊迫感があって面白い戦いでしたが…某キャラの退場がショック過ぎて…。ここ最近どうも危うい感じがしたので、予想通りではあったものの、それでもショックです。本人は満足そうだったのが、せめてもの救いかなぁ…。 今度こそ本当に後戻りできない道へと踏み込んだオルバ。たとえ大切なものを失っても、ここまで来たからには立ち止まることはなさそうですが、オルバの知らないところで色々とマズイことが進行中なのが気になりますね。イネーリは重大な情報入手してそうだし、ライラは不穏な動きを見せてるし…。オーバリーや今回は出てこなかった魔道士たちも気になる。 来年になるでしょうが、続きも楽しみです。 関連記事:『烙印の紋章Ⅷ 竜は獅子を喰らいて転生す』の感想
«追記を閉じる
スポンサーサイト
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2011.05.11 Wed
GOSICK ―ゴシック― 桜庭一樹
「それはだね、君。五感を研ぎ澄まし、この世の混沌(カオス)から受け取った欠片たちを、私の中にある“知恵の泉”が、退屈しのぎに玩ぶのだよ。つまり、再構成するのだ」パイプを片手に、恐るべき頭脳で難事件を解決していく不思議な少女ヴィクトリカ。人形とみまごうほどの美貌をもつ彼女だが、性格は超傍若無人!? 真面目で誠実な留学生久城一弥はそんな彼女に日々振り回されっぱなし…。そんな中、とある占い師の死をきっかけに、二人は豪華客船で起こる殺人事件に巻き込まれてしまう。次々と命を落とす乗客達、そして明かされる驚愕の事実とは――!? 天才美少女の極上ミステリー、開幕!! (裏表紙とP31より引用)
追記を読む »
元々は富士見ミステリー文庫から出ていたシリーズ。前から名前だけは知っていたんですが、読むのは初めてです。 一弥をパートナーに、ヴィクトリカが探偵役として事件を解決していく…んですかね。正直ミステリーとしては色々ツッコミどころがあるので、本格的なものを期待すると肩透かし。そもそも、犯人最初から丸わかりですからね! あまりにも怪しすぎてミスリードかと思ったら、別にそんなことはなかったという…。良くも悪くもホームズオマージュなのかなぁ。 でも、一弥とヴィクトリカの関係はツボでした。ヴィクトリカの偏屈&傲慢さに文句を言いながらも、いざという時には一生懸命彼女を守ろうとする一弥。一弥にそっけない態度を取りながらも、誠実な彼に徐々に心を開いていくヴィクトリカ。一弥が敵に立ち向かっていく時の、ヴィクトリカの不安そうな反応にニヤニヤしちゃいましたよ。最後の「約束」もとても印象的でした。あのヴィクトリカが他人の肩にもたれて眠るなんて、本当に一弥を信頼しているんですねー。 親戚に恐れられているらしいヴィクトリカの秘密(特に母親関係)や、ヴィクトリカと一弥の出会いなどが気になるので、続きもぼちぼち読んでいくつもり。出会いに関しては、短編集に収録されているようですが。
«追記を閉じる
テーマ:少女系ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2011.05.02 Mon
烙印の紋章Ⅷ 竜は獅子を喰らいて転生す 杉原智則
「王族そのものが国の礎なのではない。その誇りに、民も臣下も同じ光を見出してこその国家」銃撃を受け昏倒したオルバ。そして戦場で墜落し行方不明となったビリーナ。二人が身動きの取れないなか、メフィウスの再侵攻にそなえて西方各地より援軍がタウーリアへと集結してくる。一触即発の事態を前に、回復したオルバはとある決断をくだし、シークを密使としてアプターへと向かわせる。一方、その頃アプターではオルバの元部下たちの身に危機が迫り、またビリーナにも怪しい影が忍び寄っていた。はたしてオルバの決断とは、そしてビリーナの運命の行く先は!? 英雄への道を描くファンタジー戦記、第8弾! (カバー折り返しとP264より引用)
追記を読む »
前回読み終わった時は、「これは次盛り上がる!」と思ったんですが、実際はさらに次に山場が持ち越されました。オルバは意識不明中だったり拘束中だったりで、動き始めたのが残り1/3ぐらいからですからねー。今回は、次巻の展開に備えてのさらなる土台固めといった感じ。メフィウス、ガーベラ、エンデ、タウラン地方と視点が入れ替わりましたが…本当にどこも火種が多いな! 魔術師集団も相変わらず不気味に暗躍しているし、どうなることやら。 で、前回思いっきり顔に銃撃されたオルバ。仮面が吹っ飛んで苦労人ボーワンに正体がばれるのかと思ったら、結局素顔見られなかったのか。その代わり、他の人にばれた…というよりも、ばらしたけれど。オルバが西方でやってきたことの結果が、ラスビウスや竜兄弟をはじめとするタウランの人々の信頼として表れているのが印象的。オルバの今回の決断は、西方の英雄オルバを捨て去ることでもあるけれど、竜兄弟たちにはまた会ってほしいなぁ。 ビリーナは出番こそ少なかったものの、ライラたちを救おうと襲撃者に銃を向けるところがかっこよかったです。 あと、間違いなく作中で1番オルバに尽くしているシークですが、今回彼の過去が明らかになりましたね。前に言っていた「古代王朝の~」は、そういうことだったのか。オルバに肩入れする理由も分かってスッキリ。しかし、オルバに尽くしすぎで、そのうち死んでしまわないかとちょっと心配ですよ…。今回も危険な目に遭っているし。オルバのやることなすこと、何でも可愛く見えているのにはちょっと笑ったけれど。重症ですよ、シークさん。 最後の最後に最高に盛り上がるシーンが来たので、もう次が待ち遠しくてなりませんね! 焦らされただけに早く続きが読みたいです。今回久しぶりに出てきたある一家や、あれの生き残りと思われる男が今後の展開にどう影響していくかも気になるところ。今回ビリーナの危機に珍しく冷静さを欠くオルバにニヤニヤしたので、ビリーナとオルバのちゃんとした再会も楽しみ。 関連記事:『烙印の紋章Ⅶ 愚者たちの挽歌よ、竜に届け』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2011.01.22 Sat
薔薇のマリア 14.さまよい恋する欠片の断章 十文字青
「あいたいよ」長き因縁に決着をつけ、一時の平安を得たエルデン。ルーシーは着実に歩みを進め、カタリはエルデンデートに、ピンプは盃を重ね、トマトクンは体を休め、ユリカ、サフィニア、マリアローズはパジャマパーティ!? そしてアジアンはいつものように、薔薇の動向を気付かれない距離から見守っていた。だがそこにもう一つ、マリアに不穏な視線を送る影があった。マリアが、アジアンが! 恋と世界の秘密に迫るシリーズ14巻!! (裏表紙とP254より引用)
追記を読む »
本編14巻(外伝も入れると20冊目)。 最終章に入る前の準備巻といった感じで、色々伏線が張られていましたが、同時にタイトルの通りそこら中で恋の欠片が散らばっていて非常に楽しかったです。メインキャラだけでなく、サブキャラにもスポット当たってましたからね! 懐かしい人もチラチラ顔見せていたり。 個人的にはアジアン&マリアを除けば、やっぱり「見た目は子供、中身は大人」カップルにニヤニヤしました。飛燕もユリカも可愛いなぁ! もう本当にお似合いなので、是非とも幸せになってほしいです。というか、まだ付き合ってなかったんだ…。 カタリの話は、脈ありとみて…良いんですよね? 1度きっぱりと振られてはいるものの、最後の彼女の言動からして意識し始めているのは確かだし。カタリの頑張りが報われますように。そして、マリア争奪戦に敗れたというか、自ら身を引いたっぽい荊王ですが…まだマリアに未練残りまくりじゃないですか! そんな彼が孤児を拾って微妙にフラグ建てていた気がしますが、今のままだとマジ犯罪なので将来に期待。あと、総長と副長もやっと素直になってくれて一安心。いや、まぁあとはヨハンが腹くくれば良かっただけなんだけれど…。琺瑠にいっぱい「ばか」って言われるといいよ! ピンプの永遠に叶わない想いにちょっと切なくなったり、某魔女2人の百合っぷりに目を丸くしたり、その他にも興味深い話が多くて良かったです。もっと各々の話を掘り下げてほしいぐらいですが、それやると相当グダグダになるから仕方ないですね。 そして、読む前からかなり期待していたアジアンとマリアは… やっとマリアが自覚したー!いや、まだ本人は認めそうにないですが、あそこまできたらもう「アジアンが好き」というのは確定ですよね!? またマリアの自己嫌悪スパイラルが復活していたのも、結局のところアジアンが会いに来てくれないから情緒不安定になっていただけのような…。もちろんルーシーに抜かれたのが大きいとはいえ。しかも挙句の果てには「あいたいよ」だし。アジアンの策恐るべし。 このままカップル成立してくれれば嬉しいんですがね…。やっと出てきたかと思ったらあっさり退場した某子爵によると、「マリアは特別」らしいし、マリア自身もそこを気にしているしなぁ。ユリカも「友達の秘密~」とか言っていましたが、あれってマリアのこと…なんですかね? 前巻でマリアの骨盤治療した時に何か気づいたのかな。個人的にはマリアは「男」でさえなければ、どんな事実も受け入れられる! 恋が始まったり進展している一方で、トマトクンの過去が垣間見えたり、マチルダが意味深なことを呟いたり、終わりに向けて動き出しましたね。 次から始まる最終章で、どのような物語が繰り広げられるのか。楽しみでもあり不安でもありますが、最後までマリアたちの行く末を見守ろうと思います。 関連記事:『薔薇のマリア 13.罪と悪よ悲しみに沈め』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2011.01.10 Mon
薔薇のマリア 13.罪と悪よ悲しみに沈め 十文字青
「人は人を求めないかぎり、ずっと一人でいるしかない」ヨハンを失った秩序の番人(モラル・キーパーズ)は弱体化の一途をたどり、街にはSIXの唱える悪徳再生(リヴァイス)の声が響く。渦中で、マリアとトマトクンは決断する。曰く「今のお前に秩序の番人の総長を名乗る資格はない」――!? トマトクンついに動く! 悩めるルーシーは街をさまよい、ベアトリーチェは秘めた想いをマリアに明かす。そして、街が喊声と殺気に沈む決戦の時、アジアンはマリアのために疾っていた――。ルーシー編、激動のクライマックス!! (裏表紙とP487より引用)
追記を読む »
ルーシー編完結。 …うん、なんというかね? 「ルーシー編」という割にはルーシーが影薄すぎるような気がするんですよね? というか、今回ルーシーってウジウジ街さまよってちょっと覚悟決めてSIXに呼び掛けてスルーされて泣いて、ぶっちゃけ全然活躍していないような…。もっとこう、「SIXの息子」という設定が生かされるかと思ったんですが、戦闘でも空気だったし、SIXが(最後を除いて)特別心を動かされるわけでもなかったしなぁ…。美味しいところは全部リーチェやヨハンに持っていかれてるし…。ちょっと肩透かし食らった気分。 で、今回下手するとマリアたち以上に目立っていたのが秩序の番人たち。12巻もヨハンたちが目立っていたので、番人編という方が正しいのかな。キャラが多いものの、それぞれ個性が強い上に心情描写もきっちりあったので、特に混乱することもなく。皆信念を持って戦っていましたが、やっぱり印象に残ったのはヨハンですね! 気が狂いそうな状況の中でも、心折れることなく戦い続けたヨハンには是非とも幸せになってもらいたい。もちろん琺瑠と。そして、もう番人ではないけれど、リーチェもかっこよかったです。終盤の凛とした彼女に、2・3巻を思い出して感慨深くなりました。本当に素敵な女性になったなぁ。 今回SIXについて色々判明してちょっとビックリ。SIXにもまともな頃があったんだ…(失礼) 彼の抱えていた孤独や悲しみには少し胸を打たれましたが、これまでのことを考えると同情はできません。というか、悪役のまま最後まで突っ走ってほしかったかも。イカレた悪役のイメージが強すぎて、今更改心(?)したと言われても戸惑っちゃうんですよね…。嫌いなキャラではないんだけれど。奴の喋り方はクセになる。 …と言いつつも、彼の今後の立ち位置には興味あります。グッダーとかが動き出したら、SIXも関わってきそうだし。 アジアンとマリアについては、今回もニヤニヤさせてもらいました。というか最後! マリアのデレに床ローリング!! 良かったね良かったねアジアン!! トーナメント時の、マリアにはどうしても頭が上がらないアジアンにもニヤニヤ。あれは完全に母親と子供の図でしたね。 そういえば恋愛といえば、トーナメント中のサフィニアの言動にはちょっとビビりました。し、舌打ち…? 「……おい……!」…? 嫉妬深いところはあったけれど、そういうキャラでしたっけサフィニアさん…? ひとまず長きにわたる因縁には決着がつきましたが、最後を見るに、次巻以降ようやく世界の謎について明かされそうなので楽しみです。 関連記事:『薔薇のマリア 12.夜に乱雲花々乱れ』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2010.12.18 Sat
烙印の紋章Ⅶ 愚者たちの挽歌よ、竜に届け 杉原智則
「しかし、このまま捨て置くのは義に反します。わたしは両国の平和を願っております。……夫となるべきギル皇子の意志と同じく」婚約者である皇太子ギルを亡くし失意のビリーナだったが、その死の真相を探るため帝都ソロンを発つ。ホゥ・ランとも再会し、二人は再びアプター砦へ赴くことになる。一方、ガルダ打倒を果たしたオルバはタウーリアへと凱旋。束の間の平穏を享受する。しかし、そんな折にメフィウスによるタウーリア電撃侵攻の報が入る。グールの独裁がますます強まる状況のなか、ノウェ&ゼノンやイネーリなどの面々も次の一手への布石を打つ。新たな戦乱の到来とともに、オルバとビリーナの運命も再び交差する。英雄への道を描くファンタジー戦記、第7弾! (カバー折り返しとP226より引用)
追記を読む »
ガルダ編が終わって、今回から新章突入。 今回は残された人々がギル皇子の死に何を思い、これからどう行動しようとしているかがメインだったので、大きな動きはありませんでしたが、今後の展開に期待が増す話でした。 ゴーウェンやホゥ・ランをはじめとする近衛隊の面々やビリーナのその後が気になっていただけに、こうやって彼らの心情を詳しく描写してくれるのは嬉しい。というか、オルバはよりにもよってホゥ・ランに何も言わないで行ってしまったのか…。怒るホゥ・ランの対応をさせられたゴーウェン可哀想。再会した時に詰め寄られることを覚悟しておくべきですね! あとパーシルが色々勘付いている様子。しかも最後、あれってギル=オルバに気づいたってことでいいのかな? ローグとオーダインの「殿下に乾杯」にはグッときた。 イネーリは相変わらず小物臭がプンプンしているんですが、あの執念には正直恐れ入ります。なんか自滅しそうな気もするんですが、握っている秘密が秘密なだけに、彼女の今後の行動が気になるところ。 で、ビリーナですが…うわあぁ、痛々しい…。今はだいぶ立ち直っているというか、真相を探ることで自分を支えている感じでしたが、ギル皇子死亡の直後の描写は読んでいて切なかったです。メダルを貰うシーンも切ない…。いいところですれ違っているだけに、早く再会させてあげたい! すぐそこ、そこにいるよー!! オルバの方は、娼婦とのシーンにビックリ。ラノベの主人公がヒロイン以外とそういうことになるのって珍しいと思うけれど、まぁこの作品の雰囲気ならアリかな。おかんのシークが言う通り、オルバが復讐から解き放たれつつある証拠でもあるし。 今回印象的だったのは、エスメナに仮面の下をチラミセするシーンですね。どこか静謐で侵しがたい雰囲気が良かった。オルバの相手はやっぱりビリーナだと思うんですが、エスメナも好きなので、意外と扱いが良いのが嬉しい。もちろんホゥ・ランも好きだよ! あと、ボーワン好きなので、妙にオルバと仲良く(?)なっている彼には和んだ。 終盤の戦いは短いながらも緊迫感があって面白かったです。…が! あんないいところで終わるなんてー!! 今までで1番気になる終わり方じゃないですか!! これはついに次でギル・メフィウスの「復活」が見られると思っていいんですかね? 少なくとも、ボーワンにはバレると思うんだけれど。 義に従ったは良いものの、立場的にはかなりヤバいことになったビリーナも気になるし、早く続きが読みたいです! 関連記事:『烙印の紋章Ⅵ いにしえの宮に竜はめざめる』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2010.11.08 Mon
鬼舞 見習い陰陽師と御所の鬼 瀬川貴次
「道冬さまなら絶対になれますとも。一人前どころか、一流の陰陽師に」時は平安。幼い頃から不思議なものが見え、しかも好かれるという厄介な体質の少年・道冬は、陰陽師を目指して京の都にやってきた。ところが用意していた家は荒れ果てていて、その上付喪神や幽霊が出没するという、いわくつきの物件! 従者の行近も困惑顔だ。さらに陰陽寮では安倍晴明の息子・吉昌に妙に気に入られ、他の陰陽師見習いたちから嫉妬されてしまい――スゴ腕陰陽師への道は険しそう!? (裏表紙とP26より引用)
追記を読む »
新作。 陰陽師になるために京に出てきた道冬が、付喪神に懐かれたり才能ある陰陽師たちに気に入られたり、御所の鬼に狙われたりする話。 設定で暗夜、イラストで聖霊狩りを思い出した今作。 面白かったです。今回は最初だからかそこまで大きな事件ではなかったものの、どのキャラも魅力的でした。主人公の道冬は事態に戸惑いつつも一生懸命で可愛かったし、これから道冬とコンビ組むだろう吉昌はガキ大将っぽくて可愛いし。吉平はまだちょっと謎なのでよく分からないけれど、道冬1番!な行近や男のフェロモン垂れ流しな右近少将も良いなぁ。右近少将は描写のせいなのか、ネタキャラっぽいけれどw 希少な女キャラである大家さんも茶目っ気ある女性で非常に好きです。そして、瀬川さんお得意の人外! 付喪神も融の大臣も可愛すぎだろおぉ!! 道冬は当初ウンザリしていましたが、最後を見るに、何だかんだ言ってあの家での生活をエンジョイしてますよねー。確かに賑やかで楽しそう。 どうやら道冬には秘められた力があるようですが…父親譲りなんですかね? ただ、最後の祝詞に関してはまだ陰陽師としての才能が凄いということで片づけられるものの、鬼の顎を素手で砕くというのはどう考えても人間離れし過ぎだと思うんだ! 行近は行近で、何やら安倍晴明に含みがあるようだし、続きが楽しみ。 で、伝説の陰陽師こと安倍晴明は…どうも言動的に『暗夜奇譚』の一条を思い出すんですが…あのシリーズと繋がってるんですかね? もしそうなら、今後親友の話がチラッと出てこないかなー。シリーズ読み返したいけれど、奥にしまってしまった…orz あと、『魔王は甘くささやく』は打ち切りですか…?
«追記を閉じる
テーマ:少女系ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2010.07.24 Sat
烙印の紋章Ⅵ いにしえの宮に竜はめざめる 杉原智則
「おまえらが戦うべき相手はおれたちではない。おれはこれよりガルダを討つ。邪魔だてする者こそ、西方に仇なす者と思え!」魔道士ガルダの軍勢からヘリオを奪還したオルバたち。それを端緒にアークス・バズガン率いる西方連合軍はガルダ打倒を目指す。功績が認められ、傭兵の一小隊を任されたオルバは、猛将ニルギフが守るカダインへと向かうことになるが、そこでは恐るべき罠が待ち構えていた。西方全体に広がった戦火は、それぞれの思惑までも呑み込んでいくが――。かつてない難敵を前にオルバの抱く覚悟とは? ガルダとの決戦の行方は!? 英雄への道を描くファンタジー戦記、第6弾! (カバー折り返しとP276より引用)
追記を読む »
5巻を読み終わった時は、ガルダ編が終わるまであと2冊ぐらいかかるかなぁと思っていたので、展開に驚きました。話の密度が濃くて面白かったですが! 今回は色々な人の想いが交錯して決戦を盛り上げてくれましたが、その中でもおっさん連中が目立ってましたね。女性の挿絵が2枚だけで、後は殆どが髭の生えたおっさんorオルバってどういうことw でもこの作品のおっさんて、基本的に義理堅くてどこか愛嬌のある魅力的なキャラばかりなので、全然気にならない。むしろ、彼らの存在があるからこそ、戦闘シーンが余計に盛り上がるんですよね。特に今回は、モロドフ&ニルギフ兄弟が良かったなぁ。 懸念していた魔法関係は、あまり話から浮いていなかったので良かったです。 そして、我らがオルバは今回も素晴らしい男たらしっぷりを発揮していました。というか、ヒロイン不在の間にますます男たらしがパワーアップしてるじゃないか! ラスビウスはすっかりオルバを認めたみたいだし、竜兄弟もオルバを気に入ったみたいだし、オルバ隊も完全にオルバに従っているし、その他にも色々、色々…。まぁ実際、カダイン戦やアークスを助けに来たあたりなんか、オルバのかっこよさが半端なかったですしね。得体の知れないガルダに恐れず立ち向かい、周りを叱咤激励する姿に惚れずにはいられない。 といっても、そんなオルバにも未熟なところは多々あるわけで。危なっかしいところもあるんですが、それでも少しずつ成長していくから余計に続きが楽しみなんですよね。今回はガルダの術を破って「自分」と向き合ったことで、一皮剥けた感じ。 今回ビリーナは全くもって出てこなくて残念だったんですが、その分エスメナがヒロインしていました。…これ、完全にエスメナ惚れたな。ただでさえ、1・2度しか会ったことのないギルにベタ惚れだったのに、こんなことされたら「貴方を一生想い続けます」レベルになってもおかしくない。オルバさんマジ罪作り。 ビリーナ派ですが、あそこまでギルを支えに健気に頑張るエスメナを見てしまうと、応援したくなってしまいますよ。まぁ、今のところエスメナに全然勝ち目はないと思うんですがね…。オルバは今回もエスメナにビリーナ重ね合わせてたし。…エスメナさん、今回も踏んだり蹴ったりだったボーワンも良い男だと思いますよ? ひとまず戦いに一段落ついたと思いきや、最後の最後に新たな戦いが勃発しそうな雰囲気が。今考えると、あの人の竜神教狂いはこの伏線だったんだろうか…。オルバが次回どう動くのかも気になるし、ビリーナもついに出てくるみたいなので、続きが楽しみすぎる! 出てくるといっても、そう簡単にオルバに接触できないだろうし、どれだけ出るのかも分かりませんが、それでもやっぱりテンションは上がります。ホゥ・ランもそろそろ出てきてほしいなぁ。 関連記事:『烙印の紋章Ⅴ そして竜は荒野に降り立つ』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2010.05.25 Tue
魔王は甘くささやく 死がふたりを分かつとも 瀬川貴次
「ああ、気をつけて。海から悪いものがやってくる!」降霊会で不吉な予言を聞いた警部ジェイクは、魔女の素質に目覚めた少女エリザを心配し駆けつけた。しかしエリザの無事に安心したのも束の間、ジェイクは何者かに襲われ倒れてしまう。報せを受けてお見舞いに訪れたエリザは、ジェイクと名前で呼び合う娘ナンシーとすれ違った。落ちつかない気持ちのままジェイクの部屋を後にしたエリザだったが、その帰り道何者かに襲われて――!? (裏表紙とP15より引用)
追記を読む »
2巻。 呼気で病気をばら撒くゾンビに襲われる話。 ヒーローとヒロインのやり取りがツボだった作品ですが、今回も非常にニヤニヤさせてもらいました。相手のことが気になって仕方ないのに、認められずについ意地を張ってしまう。非常に分かりやすい2人の態度は、傍から見ているとかなり楽しいです。普段は「ミス・カーヴァー」「エイシャム警部」と他人行儀なのに、いざとなると名前呼びというのがたまらん。ピンチの時もお互いのことを守ろうとするぐらいなんだから、さっさとくっつけばいいのにと思いますが…エピローグの感じだとまだまだ時間かかりそうですねぇ。今のままでも楽しいですが、せっかくジェイクを狙う新たな恋敵が現れたんだから、少しは進展してくれますように。クロコダイルの異名を持つ彼女のことだから、ぼやぼやしていると外堀を埋められそうな気がする…。 で、エリザを付け狙う某青年ですが…なんか今回は出番が少なかったからか、前回よりも不気味さが薄れていたような…。悪趣味は相変わらずとはいえ、今回の件は彼が意図してやったことではないようだし、ちょろっと助けたりもしてくれたしなぁ。 というか、今回だけだと、敵と言うよりもエリザとジェイクの恋を進展させるだけの当て馬にしか見えない! 容易にエリザを奪えるシーンでも、特に何もせずに撤退しましたしね。あれはいつでも奪えるという余裕の表れ&エリザの成長をもっと見たいという好奇心から来るものなんだろうけれど。次はもっと事態を引っ掻き回してくれるといいです。 2人の牛歩恋愛をもっと楽しみたいので、次も無事に出てくれますように。ジェイクの出番はもうちょっと多めで。 関連記事:1巻『魔王は甘くささやく』の感想
«追記を閉じる
テーマ:少女系ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
2010.03.26 Fri
烙印の紋章Ⅴ そして竜は荒野に降り立つ 杉原智則
「面白い目。わたしを恐れてもいない。いいえ、そもそも関心を持っていない。まるで、愛した人を失くしたような目。 最初から死ぬつもりで戦場を求めてきたか?」なり代わっていたメフィウス皇太子ギルの死を偽装して表舞台から姿を消し、タウーリアの傭兵となったオルバ。折しもタウラン全域は魔道士ガルダの脅威に揺れていた。その次なる標的と目されるのは都市国家ヘリオ。だが、そこは謀反や妖艶な王妃マリレーヌの変節など、多くの内憂をも抱えていた。オルバは援軍としてそのヘリオへと赴く。復讐を果たした後、確たる目的も定められずに一介の傭兵として戦うことになるが、運命はオルバを新たな挑戦へと駆り立てる! 英雄への道を描くファンタジー戦記、待望の新章スタート! (カバー折り返しとP116より引用)
追記を読む »
今回からガラリと舞台も登場人物もオルバの立ち位置も変わって、第2部開始。 第2部はタウラン全域を舞台に、オルバと魔道士ガルダの戦いが繰り広げられるんですかね? 復讐を果たし一介の傭兵となったオルバは、生きる目的を失ったために妙に無気力状態。これまでのことをスッパリ綺麗に忘れて日々を過ごそうとはしているようですが…まぁそう簡単には忘れられませんよねぇ。事ある毎に、ビリーナが脳裏をよぎってイライラするオルバにニヤニヤ。 先の見えない明日にイライラし、どこか危うい雰囲気を漂わせていたオルバですが、何だかんだ言ってピンチになると冷静に事態に対処しようとするところがらしいですね。もちろん腕っぷしも一流なので、どんどんお偉いさん方に認められていく展開は読んでいてワクワクします。ただ、態度がでかいw 仮にも王子相手にあの喋り方はないよオルバ! 最後にはだいぶ立ち直って生き生きし始めたオルバですが、彼に今回1番影響を与えたのは…やっぱりあの人ですね。王族としての義務を果たそうとしたかの人の生き様には、心を打たれるものがありました。 前は復讐のことしか考えていなかったのに、今回民のことを考えたり、最後にあんな行動に出たりと、少しずつ変わりつつあるオルバですが、これからはタウランでどんな活躍を見せてくれるんでしょうか。そしてメフィウス勢とどんな再会を果たすのかも気になります。特にビリーナ! 今回は噂だけでしか出てこなかったので、早くオルバに絡んできてほしいなー。あとホゥ・ランも。タルコットの話からして、タウラン編では重要な役割を果たしそうだし。 そういえば、殴られた時にシークが意外なことを口走っていましたが、真実はどうなんでしょうね? まぁ、どんな事情があったとしても、シークはこのままオルバの仲間…というよりはお母さんポジションに収まりそうな気がしますが。 今回も十分面白かったものの、準備巻といった感じがしたので、次が非常に楽しみです! 関連記事:『烙印の紋章Ⅳ 竜よ、復讐の爪牙を振るえ』の感想
«追記を閉じる
テーマ:ライトノベル - ジャンル:本・雑誌
小説:著者名 さ行
Comment(0) TrackBack(0) Top↑
| HOME |
次のページ≫
|